デイヴィッド・M・ジェイコブス
「Walking among us」が本書の原題である。ここでは主語をあえて省略している。いったい何が我々(=人類)の間に存在しているのか。これが本書のテーマである。
本書によれば、それは「ハイブリッド」、つまりエイリアンと人間のハイブリッドだという。
著者のデイビッド・M・ジェイコブス博士は、米国テンプル大学の歴史学准教授。1986年から「アブダクション事件」(=エイリアンによる人間誘拐事件)を研究している。100人近い「アブダクション被害者」(=エイリアンによる誘拐被害者)と接触し、「逆催眠」という手法を使って、誘拐被害者自身が忘れていたり、記憶の奥底に封印していた情報を引き出してきた。
こうして得られた情報をもとに、綿密かつ綿密な調査で事件を詳細に研究してきた博士は、学者らしい抑制された姿勢を保ちつつ、衝撃的な結論を提示する。
誘拐するエイリアンの目的は、ハイブリッドと呼ばれる「神経系以外は人間と区別がつかない」進化した混血種を人間社会に同化させること。
ハイブリッドと人間が何世代も交配を続ければ、やがて地球上のすべての住民がハイブリッドに取って代わられる。誘拐された人々が言う「変化」という運命の時が近づいている。
一見信じ難いが、綿密な調査と具体的な事例研究を経てたどり着いた博士の結論は、決して笑えないものだ。
本書には、原書にはない日本語版だけの特典として、訳者並木伸一郎による詳細な解説、「日本語版刊行にあたって」「あとがき」、そして興味深いコラムが4本収録されている。このコラムと解説は、実は本文よりも面白く、衝撃的な情報も明かされている。
例えば、カナダの元国防大臣が地球に宇宙人が来訪したことを公然と認める声明を出したり、エドワード・スノーデンがアメリカの中枢に宇宙人が潜入している事実を暴露したり、ある国の王室が「レプティリアン」と呼ばれる爬虫類型宇宙人に乗っ取られたり、などなど。読者の皆さんの判断に委ねたいと思います。