天宮清
日本で最も古いUFO研究家で、元CBA(企業経営者協会)の会員である天宮清志が60年にわたる円盤と宇宙人研究の蓄積をかけ、UFOと宇宙人の正体に迫る。
かつて日本には宇宙友好協会(CBA)というUFO研究団体があった。この団体は、世界初のUFO目撃事件として知られる「アーノルド事件」のわずか10年後の1957年に、航空ジャーナリストの松村裕介氏によって設立された。メンバーにはアダムスキー研究家の久保田八郎さん、電気技師で発明家の橋本健さん、詩人でフランス文学者の平野今尾さん(料理愛好家の平野レミさんの父)など愚かな面が名を連ねた。
この本の著者である天宮清は、1960年に13歳の若さでこの団体に入会した後、60年近くUFO研究に没頭してきた。彼はまさに日本のUFO研究界の最も古い参加者であり、生きている百科事典だ。
著者はUFOと共に歩んできた人生をまとめた「日本UFO研究会社」を出版している。本書は4部に分かれており、第1部「本物のUFOとは何か」ではUFOに関する基礎知識を詳しく解説。特に著者が「本物のUFO」と判断した国内20件、海外20件のUFO事件を引用している。
第2部「海外UFO研究会社」では、第2次世界大戦後に急増したUFOの目撃と研究の歴史を紹介。英語圏だけでなくフランス、スペイン、旧ソ連、中国までを網羅しており、貴重な資料となっている。また、UFOと宇宙人に対する思考方式の変遷を追跡する優れた歴史でもある。
海外の後ろは日本に目を移し、第3部「日本のUFO研究会社」では、1955年に新井市が設立した日本飛行する円盤研究会に始まる、日本のUFO研究会社を詳細に説明する。なんとこの研究会にはロケット技術者の伊藤川秀夫、作曲家の広藤史、作家の三島由紀夫、元東京都知事の石原新太郎など当時日本を代表する知識人が集まり、UFOと宇宙、宇宙人について活発な議論が出たという。しかもこの第3部では、高梨純一、斎藤守広、森脇紀夫など王年のUFOファンなら誰もが知るこの分野のビッグネームが次々と登場する。
しかし、本書のハイライトは、なんといっても第4部の「CBA内部で何が起こっていたのか?」だろう。著者自身もCBAの会員であり、内部資料や自分の体験に基づいて話される話はCBAの内部事情を強力に描いている。特に印象的なのは、創設者の松村優介氏自身が「宇宙人」と接触してUFO母船に乗せられたという話だ。
その後、CBAは宇宙人から直接指令を受け、地球上の核兵器の廃棄に尽力。米軍基地付近で「宇宙から借りてきた機械」を稼動させたり、「未知の電磁波」で核兵器を無力化すると、日本各地で活動している。
日本のUFO研究の歴史を語る上で欠かせない資料。