ムドラ全書 108種類のムドラの意味・効能・実践手順

ジョセフ・ルペイジ

「ムドラ」とはサンスクリット語で「身振り、印、態度、特徴」という意味です。

仏像を見ると、仏様ごとに象徴的な手のポーズがあることに気が付きます。日本語では「泥」や「手印」と呼ばれていますが、あれは基本的にムドラです。忍者が技を繰り出すときにムドラを結んで九字印を切るのもまたムドラです。

一般的に仏像のムドラは仏陀の悟りの内容や働きを表していると言われています。このように、ムドラはそれぞれの特徴に応じた心の状態や心構えを呼び起こす効果があります。

全身を使うムドラもありますが、仏像に見られるように、私たちにとって最も馴染み深いのは手を使うムドラです。指圧という概念はよく知られていますが、手の指には感覚神経や運動神経が集中しており、経絡を通じて脳や体のさまざまな部位と直接つながっていると言われています。機能面では、繊細な動きが可能で、5本の指を象徴的に使用して5つの要素に結び付けています。

この本は、108種類の手のムドラを便利かつ実用的にまとめた決定版です。各ムドラは2ページにわたっており、左ページには読みやすいイラストと概要が掲載されています。右ページには、ムドラの「コア特性」、「主な効果」、「類似のムドラ」、「注意と禁忌」、「手順」などの基本情報と、5つのコシャのそれぞれの効果が記載されています。

コシャとは、人間を構成する5つの層を指します。これらは、肉体の層である「アンナマヤ・コシャ」、微細な体である「プラナマヤ・コシャ」、思考と感情を支配する「マノマヤ・コシャ」、知恵の層である「ヴィジュニャーナ・コシャ」、そして心の本質である「アナンダ・コシャ」です。これら各層におけるムドラの効果についてわかりやすく解説されています。

さらに、現代の書籍と同様に、人体のさまざまな臓器、五大元素、チャクラなどが「アイコン」で表示されており、スマートフォンに慣れた方にも視覚的に非常に分かりやすくなっています。巻末にはさまざまな付録がありますが、最も役立つのは、アレルギーや高血圧などの病気に対応するムドラの一覧です。

この一覧を使えば、いつでもどこでもムドラで体の不調に瞬時に対処できると言われています。本書は、ムドラの参考と実践をわかりやすくまとめたもので、ヨガ初心者から上級者まで幅広く活用できます。

ムドラ全書 108種類のムドラの意味・効能・実践手順