カチーナとともに生きる

HOPI 天川彩

私たちは何を失ったでしょう。

再び説明する必要もないかもしれないが、「ホッピー」はアメリカ先住民の不足の一つで、主にアリゾナ州北部の保留地に居住している。 「ホピ」という名称は「平和の民」という意味だが(本来は「知恵を兼ね備えた人」を意味したという説もある)、創造主「タイオワ」と約束した「人間らしい平和的な生活の仕方」を今も実践している。

また一説によれば、ホピは古代マヤ人の末裔とも呼ばれ、ホピの神話によると、現在のこの世界は「第4の世界」という。つまり現在の世界ができるまでこの地球上には3つの世界が存在していたが、それぞれの世界の人々は創造主との約束を忘れて平和が乱れるため、その都度火氷・洪水によって滅亡されてきたということだ。

ホピの人々は現在「第4世界」が行く言葉に関する伝承も持っている。いわゆる「ホピの予言」がそれだ。この「ホピの予言」は、創造主のタイオとあるいはそのライオンである大政令マサウがホピに伝えたもので、1976年にホピの長老が国連総会で発表したことで、一躍世界に知られるようになった。

本書は、そのようなホピ人に魅了された著者が自ら体験した彼らの文化と精神世界、そして彼らに学ぶ人間本来の生活様式などを書いた本だ。ホピとその予言についてはこれまでも多くの本が出版されているが、この本は特に著者が出会った実際のホピ人の育成を聞いてその美しい魂に触れることができる点が最大の魅力となっている。

当然著者とホピの土地、そしてホピの人々との関係も詳しく語ることができるが、一言で言えばそれはまさに「不思議な技」。仕方ないタイミングが到来するたびに、著者はまるでホッピーの精霊「かちな」の召命を受けるように、いろいろな偶然がたまってホッピーとのつながりを深めていくのだ。そのような運命の不思議を味わうのも本書の魅力の一つだ。

ホピの村では写真撮影は一切禁止されているが、本書では著者がホピ文化局から特別な許可を得た後、著者自身の撮影による多数の美しい写真が掲載されているのも嬉しい。オカルトマニア的には著者がホピの長老から直接聞いたというホピの予言の原文(日本語)が収録されているのも見逃せない点だろう。

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