現代魔術の源流「黄金の夜明け団」入門

チック・シセロ、サンドラ・タバサ・シセロ

黄金の夜明け団は、1世紀末にロンドンに突如現れ、世界オカルトの歴史に燦然と輝く魔術結社です。

タロット、カバラ占星術、ヘルメス主義、エジプト魔術、錬金術、カバラ、占星術など、西洋秘教の膨大な知恵を体系化したその教義は、その後の魔術や霊的理論に決定的な影響を与えました。この組織は、人類の哲学的、精神的進化に貢献した魔術師たちの友愛団体であり、秘教的知識の宝庫であり、それを伝える学校でもありました。

魔術の道を志す者がまず取り組むべき最優先課題は、黄金の夜明け団の研究です。

黄金の夜明け団の魔術師たちは魔術体系を「統合」する天才で、長年の宗教迫害によりあちこちに散らばっていた西洋秘教の断片を集めてつなぎ合わせ、適切に使える体系を作り上げました。したがって、黄金の夜明け団を学ぶことは、何千年にもわたる不朽の西洋秘教の伝統を効率的に学ぶための最良の方法です。

しかし、どうやって学べばいいのでしょうか。私たちはインターネットで検索すればほとんど何でもわかる便利な世界に住んでいますが、黄金の夜明け団に関しては、不正確な情報、捏造、妄想がインターネット上に溢れています。

この本は、黄金の夜明け団、ひいては西洋秘教についての正確な情報を探している人にとっては天の恵みとなるでしょう。

本書は、そんな初心者向けに書かれたもので、「ヘルメス主義とは何か?」という馴染みのない基礎から始まり、黄金の夜明け団の簡潔で正確な歴史、魔術の原理と法則の紹介、実際の儀式作業、さらにはカバラ、占星術、エノク魔術などの高度な教義まで、深い内容を平易な言葉で過不足なく説明しています。

その意味で、本書はタイトル通り「黄金の夜明け団」の入門書であると同時に、西洋秘教の歴史と思想を概観するためのハンドブックでもあります。

著者のチック・シセロは、40年以上の経験を持つ実践的な魔術師です。また、黄金の夜明け団の魔術体系を世界で初めて世に明らかにしたことで知られるイスラエル・リガルディとも友人であり、黄金の夜明け団の直系の精神的系譜を受け継いだ人物です。

翻訳は、30年以上前に日本で初めての本格的な魔術書『世界魔術事典』シリーズを刊行した、この分野の第一人者である江口幸隆氏。まさにこれ以上ないラインナップです。魔術を学ぶ人、マジシャンを目指す人は、このような優れた本を日本語で手軽に読める幸せを味わってください。

現代魔術の源流「黄金の夜明け団」入門